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乳幼児健診は「できていること」より「気になること」を話す場です

2026年9月6日 公開 ・ 編集部

母子手帳の発育曲線に点を打ちながら、「先月より下がった気がする」と何度も見返す。健診の案内が届くと、その日が近づくにつれて胃が重くなる。「首すわりが遅い気がする」「まだ意味のある言葉が出ない」——本当に気になっていることほど、当日は先生の前で言い出せず、帰り道に「やっぱり聞けばよかった」と後悔する。

健診を「ジャッジされる日」だと感じているなら、まずその前提を、いったん脇に置いてみませんか。

健診は「合格・不合格」を決める場ではありません

乳幼児健診の目的は、大きく3つあります。1つ目は、病気や発達の心配ごとを早めに見つけて、必要な支援や医療につなげること。2つ目は、予防接種や事故予防、栄養などの情報を家庭に届けること。3つ目が、意外と知られていませんが、保護者の不安をその場で受け止めて減らすことです。

📊 こども家庭庁「母子保健」より(趣旨) 乳幼児健診は、子どもの健康の保持・増進とともに、保護者が安心して子育てできるよう支援することを目的に行われています。順位づけや、親の関わり方の採点をする場ではありません。

だから健診は、「できているかを確認しに行く」のではなく、「気になっていることを置いてくる」ために行く、と考えて大丈夫です。何も言われずに終わった日は「異常なし」であって、「よくできました」でも「ダメ」でもありません。

「比べてしまう」のは、あなたが不真面目だからではない

待合室で、同じ月齢の子がすたすた歩いていたり、たくさんおしゃべりしていたりすると、心がざわつきます。これはごく自然な反応で、比べてしまう自分を責める必要はありません。ただ、発達には幅があり、特に運動や言葉は、同じ月齢でも数か月分の個人差がふつうにあります。曲線の「線の上」に乗っているかより、その子なりに右肩上がりになっているか、のほうが見られています。

「比べて落ち込んでいる」自分の気持ちも、相談の対象

保健師や医師は、体の相談だけでなく、親の気持ちの相談も受ける役割を持っています。「上の子と比べてしまってつらい」「SNSを見ると不安になる」も、立派な相談内容です。むしろ、そこを言葉にできると、地域の育児相談や親向けの支援につながりやすくなります。

当日、気になることを伝えるための準備

気になることを1〜3個、スマホにメモしていく

その場だと緊張して忘れます。「発語が少ない」「よく転ぶ」「後追いが激しい」など、箇条書きで十分です。優先して聞きたい順に並べておくと、時間が押しても大事なことから話せます。

できていないことは、責められている感じがしても、淡々と共有する

隠すと支援につながりにくくなります。「まだハイハイをしない」「偏食がひどい」など、事実として短く伝えれば大丈夫です。うまく話せる自信がなければ、メモをそのまま見せてしまう方法もあります。

指摘されたとき、あわてないために

その場で何か言われても、多くは「しばらく様子を見て、次の健診でもう一度確認しましょう」という経過観察です。すぐに診断が確定したり、何かが決まったりするわけではありません。気になるなら、次の健診を待たずに、かかりつけ医や地域の保健センターに続けて相談できます。

もし専門機関を紹介されても、それは「問題児の烙印」ではなく、「早めに合う支援につなぐための入り口」です。関わりを早く始めたほうが、その子も家庭もラクになりやすい、という考え方に基づいています。

健診の場で、使える窓口を聞いておく

自治体によっては、健診とは別に、発達の個別相談、言葉の教室、産後ケア、一時預かり、親向けの子育て講座などが用意されています。待ち時間に「こういうサポート、ありますか」と一言聞いてみると、知らなかった窓口につながることがあります。

まとめ

  • 健診は評価や選別ではなく、心配を減らし、必要な支援につなぐための相談の場
  • 発達には数か月分の個人差がふつう。曲線の位置より「その子なりの伸び」を見ている
  • 気になることは事前にメモ、比べてつらい気持ちも話していい、できないことは淡々と共有
  • 指摘の多くは経過観察。紹介はレッテルではなく、早めに支援につなぐ入り口

比べて落ち込む日があっても、あなたの子は、あなたのペースで育っています。健診は、その安心を確かめに行く場所です。

📊 根拠にした情報

※ この記事の内容は情報提供を目的としたものです。気になる症状や不安があるときは、かかりつけ医・お住まいの自治体の相談窓口をご利用ください。記事内のリンクには広告を含む場合があります。

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