今日、何もできなかったと思っている人へ
2026年9月7日 公開 ・ 編集部
子どもがようやく寝たあと、暗いリビングでスマホの明かりだけがついている。シンクには昼からの食器、床にはおもちゃとティッシュ、洗濯かごは山盛りのまま。鏡にうつった自分の顔を見て、「今日、私は何もできなかった」と思う。タイムラインには、片づいた部屋や、彩りのいい離乳食や、笑顔の家族が流れてくる。自分だけが止まっている気がして、静かに落ち込む。
もしいま、そういう夜のなかにいるなら。これだけは読んでいってほしいのです。
「何もしていない」の中身を、いったん分解してみる
今日あなたがした「何か」を、具体的に数えてみます。おそらく、これくらいのことをしています。
- 数時間おきに、授乳かミルクか食事を用意して、食べさせた
- おむつを何度も替えて、汚れた服やシーツを片づけた
- 泣いたら抱っこして、歩いて、あやして、置いて、また抱っこした
- 誤飲しそうなもの、ぶつかると危ないものを、無意識にどけ続けた
- 眠い体で、夜中に何度も起き上がった
- 「今この子は大丈夫か」を、起きているあいだずっと気にかけていた
これは「何もしていない」ではありません。24時間態勢の、休憩のないケア労働です。成果物が「洗った食器の数」みたいに目に見えないから、自分でも「何もしていない」と錯覚してしまうだけで、体力も集中力も、確実に削られています。夕方にどっと疲れが出るのは、なまけているからではなく、朝からずっと働いているからです。
比べている相手が、そもそもフェアじゃない
SNSに流れてくるのは、うまくいった一瞬を切り取って、明るさや色みまで整えたハイライト集です。片づいた部屋も、その30分前は散らかっていたかもしれない。笑顔の離乳食も、この直後にひっくり返されたかもしれない。撮って、選んで、加工して、投稿する余力があった人の「ベスト版」と、疲れて座り込んでいる自分の「ノーカット映像」を並べたら、誰でも負けた気持ちになります。
比べるなら、他人のハイライトとではなく、昨日の自分と。それでも十分すぎるくらいです。
罪悪感は、あなたが子どもを大切に思っている証拠
「何もできなかった」と落ち込めるのは、裏を返せば「もっとちゃんとしてあげたい」という気持ちがあるからです。どうでもよければ、罪悪感もわきません。その気持ち自体は大事にしつつ、自分を殴る道具にはしないでほしいのです。
おやすみ前に、できるいちばん小さいこと
- 洗い物は明日でいい。今日はもう店じまい、と声に出して決める
- 「この子を、今日も無事に生かした。えらい」と、小さくつぶやく(本当に効きます)
- 5分だけ、好きな飲み物を、座って飲む
- 眠れそうなら、片づけより睡眠を優先する
どれもやる気が出なければ、それも今日はそういう日、で大丈夫です。
さいごに
子どもを1日、無事に今日まで連れてきた。ごはんを食べさせて、眠らせて、危険から守った。それだけで、今日のあなたの仕事は「完了」しています。「何もできなかった日」は、じつは一度もなかったんです。
※ この記事の内容は情報提供を目的としたものです。気になる症状や不安があるときは、かかりつけ医・お住まいの自治体の相談窓口をご利用ください。記事内のリンクには広告を含む場合があります。
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